(最終更新 2003.10.28)
グラーツのシンボル 時計台と聖堂
2003年のグラーツは、街の中に多くの現代アートがありました。
そのひとつとして、時計台の裏に時計台と同じ形の真っ黒い建物が立てられていました。
2003年8月に家族でウィーン及びグラーツへ旅行しました。
目的があって、オーストリアの二番目に大きい都市、グラーツへ行くことになりました。様々な条件が重なり、全行程10日間、ウィーンにしばらく滞在し、その後グラーツへ行くことにしました。最初は、団体ツアーの一部をキャンセルしグラーツへ行くことを画策しましたが、だいぶ割高、日程も合わないので、全て自分で手配する個人旅行になりました。
グラーツは、オーストリア第2の都市で、シュタイヤーマルク州の州都、観光都市、世界遺産でもあります。しかしながら、日本ではあまり知られていませんので、国内にはあまり情報がありません。グラーツ(Graz)は、旅行代理店の方にも綴りを質問されました。最近は、インターネットで情報が入手でき、手配も出来るので助かります。
2003年8月5日 成田→ウィーン
飛行機は、オーストリア航空と全日空の共同運行便で、オーストリア航空のエアバス
A340
でした。天候がよく快適なフライトでした。エアバスはボーイング
747 より揺れが少ない印象を受けます。
ウィーン空港からは、日本からインターネットで予約しておいたミニバスでホテルアナナスまで直行。この移動方法は高いけど快適です。往復で
100 ユーロ+チップです。
http://wien-jp.com/ ミニバスの手配は、こちらのリムジンサービスを使いました。
アナナスは、日本の団体客が多いという情報でしたが、私が行った時は日本人は少なかったです。部屋は、冷房が完備されており、30℃
を超える異常気象の中では助かりました。キーは、カード式で2枚ありますので、二人使用では便利です。
インターネット上では、日本語の通じるデスクがあるという情報でしたが無かったです。特に日本人旅行客が多い場合にのみ設置されるのかもしれません。レターサイズ1枚の日本語ニュースは、ロビーの壁に貼ってありました。
夕食は出かけたくなかったので、ホテルのレストラン ツムモーザーでとりました。ここのレストランのシュパイゼンカルテン
(メニューのこと:ドイツ語で”Menu”は、定食の意味なので、場合によってはそのまま料理が出てきてしまう)
には英語が併記されています。このレストランはあまりおいしくありませんでした。ウィーナーシュニッツェルは、ミルクくさくて揚げている油も少し臭っており、おいしくなかったです。ターフェルシュピッツは、肉に味がなくパサパサしていました。スープを取った残りの肉じゃないの?
といったような味でした。
朝食は、ビュッフェスタイル。1F
ロビー横のレストランです。こちらは、満足。ハムなどはいろいろな種類をついつい食べ過ぎてしまいます。野菜は、キュウリとトマトがありました。
ホテルアナナスで、貴重品をフロントに預ける(セキュリティボックス)ときは、保証金のかわりにクレジットカードを提示する必要があります。使用料金は無料です。
ホテルアナナスの玄関。意外に狭い?
2003年8月6日 シェーンブルン宮殿(Schloss Schoenbrunn)
グロリエッテから見たシェーブルン宮殿
グロリエッテのある場所は宮殿より見た感じより遠く高いところにあります。
ウィーンの町並みを背景にした宮殿が鮮やかでした。
シェーンブルン宮殿の正面。中央の扉を入ったところが発券所になっている。
シェーンブルン宮殿の中庭側。工事中。
グロリエッテは、巨大な建物です。屋上に行くには階段がありますがチケットが必要です。このチケットは、シェーンブルンパスクラシックには含まれています。中央部にはカフェが入っています。
市電の24時間券をホテルフロントで購入して出発。アナナスからシェーンブルンまでは、地下鉄で4駅と近いです。シェーンブルン宮殿は、15年ほど前に、団体旅行ツアーで来たことがあります。団体旅行ツアーなどですと、宮殿内のハイライトな部分だけ見て終わります。今回はシェーンブルンパスクラシックを購入し宮殿内の公開されているところは全て、庭園、グロリエッテ、迷路庭園と見て回りました。これで、ほぼ1日かかりますが、前回と印象がだいぶ違います。
ここは、ハプスブルク家、オーストリアのみならずヨーロッパの歴史が凝縮されているような場所です。そのあたりを少し予習されてから見学されると、楽しみが増します。
昼食は、グロリエッテのカフェーでパンケーキ(これは、日本なら、肉入りのクレープ包み、オムレツの感覚に近い)、りんごのケーキ(アップルシュトゥーデル)、バナナボートを食べました。ここのシュパイゼンカルテには、英語が併記されています。
ちなみに、ハプスブルグ家の歴史については、下記の 2
冊はなかなか良いです。特に高校の世界史の授業を年表の暗記だと感じた方には特にお勧めしたいです。
江村 洋 著 ”ハプスブルグ家” 講談社現代新書 1990年
江村 洋 著 ”ハプスブルグ家の女たち” 講談社現代新書 1993年
夕方、いったんホテルに帰り、シャワーを浴び、着替えて、コンサートへ行きました。少し時間があったので、シュタッドパーク(市民公園)で楽聖像巡りをしました。
シュタッドパーク内にあるヨハンシュトラウス像
戦勝記念碑
記念碑にはロシア文字が刻まれています。
夕食 マクドナルド
コンサートの前にカフェで軽い夕食を取るつもりでしたが、シュパイゼンカルテンがドイツ語だけだとヤバいので、結局マクドナルド。日本より少し高め。カフェでゆったり軽食を取るのと同じような金額です。
事前にシュタッドパーク付近の英語メニューの店をチェックしておけば、安心してカフェーが使えたのですが、事前の用意が明暗を分けます。
右の画像のようにこちらのカップには、必ず容量を示す線が表示されています。ここまで液体が入っていなければ、クレームを付けることが出来ます。
0.25Lと書かれている線です。これは、マクドナルドに限ったことではありません。
ウィーン・モーツァルトコンサート
ムジークフェライン(楽友協会)と並ぶ音楽の殿堂であるコンチェルトハウスで行われるコンサートです。楽団員が、モーツアルトの時代の衣装を着て、モーツァルトの有名な序曲、アリア、楽章を切れ切れに演奏し、最後はヨハンシュトラウスの美しき青きドナウ、そしてラデツキー行進曲で客の拍手を合わせるという、まるでニューイヤーコンサートのような構成です。
どちらかというと観光客向けのショー的な性格が強いです。演奏中にフラッシュ撮影している観客もいらっしゃいました。
しかしながら、もし他にコンサートを予定されていないのなら、聴くべき価値はあると思います。ホールの音響効果もさることながら、雰囲気もありますし、やっぱり腕がすごいです。コンサートはきちんとした服装で、とガイドブックなどに書かれていますが、このコンサートでは、Tシャツ、ジーパン姿も目立ちました。もちろん、飾り立てた御婦人方も多いので、雰囲気を楽しむためにも、それなりの格好をされていったほうが良いと思います。
チケットは、日本からインターネットで予約、支払いもネット上でカード決済(
SSL 対応)しました。数日して、電子メールが届き、そこに番号が記入されています。当日、ロビーのチケット売場で番号を言うとチケットが入手できます。念のため、受け取った電子メールをプリントアウトして、これを提示しました。
http://www.mozart.co.at/ コンサートのスケジュールと申し込みはこちらです。
2003年8月7日
ケルントナー通りでウィンドウショッピング、シュテファン寺院
ザッハーで、ザッハトルテを日本に発送しました。これは、ザッハトルテの値段より発送費のほうが高くつきます。ザッハトルテは空港の出発ロビーでも購入できます。ですから、自分用と近所に配る程度なら、帰りに空港で買って持って帰る方法がはるかに安いです。運送時の温度はチョコレートですので
20
度以下に保ちたいところです。夏場はハンドキャリーが難しいと思いますがそれ以外の時期なら検討の余地ありでしょう。
ちなみにウィーンから発送すると、外箱には運搬時の温度が指定され、国際宅配便で届きます。 送られてきたザッハトルテです。 御覧の通り、ザッハトルテの外側は、木箱と段ボールだけの包装ですので、投げられたり落とされたりすると崩れる場合があります。
ケルントナー通り
通りにはしゃれたカフェー、おみやげ屋さんなどがたくさんあります。
歩いているだけでも楽しくなります。
シュテファン寺院 とても大きな建物です。
内部はゴシック様式、天井の高さが印象的でした。
シュテファン寺院を撮影した位置から後ろを振り向いたところ。
古い建物と現代とが調和している姿とでも表現すべきでしょうか。
左手に延びるのがケルントナー通りです。
昼食
シュテファン寺院近くの写真入り日本語表記もあるシュパイゼンカルテンのあるグーラシュムゼウムというお店で昼食をとりました。日本人はいませんでした。なかなか美味しいです。古びた雰囲気が良いです。
プラーター遊園地の大観覧車
有名どころですので、話の種に行ってみることにしました。ゴンドラは、10人以上が楽に入るほどの大きさがあり、まるで小屋が載っているような感じです。これらのいくつかのゴンドラは、テーブルクロスがかけられていたりなかなかおしゃれなものがあります。パーティなどに貸し出されるようです。大観覧車のゴンドラでパーティをするというのもなかなか面白いと思います。
構造は、右のようにゴンドラの取り付けられている巨大な輪が、ワイヤーケーブルのみで回転軸に取り付けられているという構造になっています。自転車のリムとスポークと同じような構造です。
ここは、家族券というのがあり割安です。家族券という制度は他でもあります。
→
途中で見かけたショッピングカートの形の星座をモチーフにした広告。夜も営業しているスーパーの広告でしょうか。思わず撮影してしまいました。
ハイリゲンシュタット ベートーベンの遺書の家
聴覚を失ったベートーベンが音楽家としての人生を悲観して有名なハイリゲンシュタットの遺書を書いた家です。遺書の他に自筆の楽譜など、さまざまな資料が展示されています。展示説明はドイツ語のみです。受付に日本語のガイドブックがありますので、これを購入して御覧になられると良いと思います。
ベートーベンが愛用したピアノ
この場所は、ガイドブックによっては交通機関の記述が不正確なものがあります。いろいろ比較されてみてください。私たちはその不正確な記述のおかげで、暑い中を歩かされることになりました。ハイリゲンシュタットの駅からは、38A
系統のバスの停留所の名前がきちんと記載されていること、これが肝心です。幾つ目の停留所という記述はあてになりません。
帰路は、道路の反対側のバス停から 38A
に乗るとハイリゲンシュタット駅に行けます。
夕食
今日は、歩数計では 2
万歩を超えていました。連日同じようなペースです。個人旅行では、観光バスで目的地まで運んでくれないので、歩数が増えます。非効率に思えますが、公共の交通機関を利用し、地元の人に道を聞き、その土地の雰囲気を味わうのは、個人旅行ならではでしょう。
しかしながら、これは、一日歩き回って疲れて部屋に転がり込むと表現してもよいかもしれません。こういう状況では、朝はしっかり食べる、昼は豪華に食べる、夕食は軽く食べてベッドに倒れこむ、というスタイルが合いそうです。
そんなわけで、本日は、夕食は出る気にもならず、ホテル近くの
BILLA
というスーパーでサンドイッチ、ジュースなどを購入してホテルの部屋で夕食しました。サンドイッチといっても、こちらのハム、ソーセージそしてパンのおいしさは、日本のそれとは比較にならないほど美味しいです。
この BILLA
というスーパーは、なかなかお勧めです。まずその安さ、観光地でミネラルウォーターを購入すると、0.5
リットルで約 2 ユーロ、しかし、スーパーでは 1.5 リットルで、0.4
ユーロぐらい。お土産なども、たとえばミラベルのモーツァルトクーゲというチョコレート菓子は、空港での値段のほぼ半額。他にも地元のおいしい食材がいろいろ入手できます。
ちょっと難しいのは量り売りの買い方。ビニール袋がありますのでその中に必要な分量をいれ、はかりに乗せ、はかりの
kg
あたりいくらのボタンを押し、出てきたラベルを貼り付けて、レジに持って行きます。必要な個数が1個から買えますので便利です。
2003年8月8日 ウィーン→グラーツ
グラーツまでは、ゼメリング鉄道による移動が魅力的ですが、今回は空路を選びました。DASH8/300
という 50
席たらずのプロペラ機です。グラーツ空港では、妹が出迎えてくれました。
グラーツ空港 グラーツ市内へは車で15分ほどです。
市庁舎前の広場
旧市街のメインストリートであるヘレンガッセ
ヘレンガッセにあるカフェザッハー。
本物のザッハトルテが味わえます。
ウィーンの本店より気楽に入れそうです。
ヘレンガッセの店は入れ替わりが激しく、ここは、以前は双眼鏡を扱う店であったことが判明。
御用達であったパン屋さんだそうです。現在も営業中。木の門構えが風格あります。
現存する城壁の一部
市街を囲んでいた石壁の一部 と 刃物屋のショーウインドウ
ムーア川のほとりにあります。ホテルバイツァの対岸です。この石壁は、グラーツ市内では現存する唯一の場所だそうです。さまざまな種類の石が積まれていることがわかります。刃物屋が軒を並べている地域があります。昔の鍛冶屋が集まっていたところで、その名残です。ナイフの類が飾ってあると思わず足を止めてしまう私。ライターや懐中電灯のついたビクトリノックスがありました。他にも見たこともない巨大なオピネル、特殊なハンティングナイフ、日本の包丁とか、、、、幸か不幸か、このお店は休暇中でした。
旧市街散策
グラーツの旧市街は歩いて回るのにちょうど良い大きさです。ここを歩いていると、ヨーロッパの古都市という雰囲気がいっぱいです。グラーツはウインドショッピングと旧跡めぐりを同時に楽しめます。
市庁舎の一角にある本屋で音楽関係の本を購入しました。地階に楽譜など音楽関連の書籍が良く揃っているお店です。ここの店員はきわめて優秀です。数冊書かれたメモをチラッと見せるだけで必要な本を探し出してくれます。
ホテルバイツァに宿泊しました。旧市街のムーア川対岸です。部屋に冷房はありません。内装は濃い茶色を基調としています。カギは内側からかけるときもカギを使う必要があるタイプです。これは、二人だと使いにくいです。設備は少し古めで、ドアなど問題にならないレベルですが、多少不具合がありました。ここは、メードに払うチップ(いわゆる枕銭)という習慣がないようで、サイドテーブルに置いておいたのですが、持っていってくれませんでした。妹によれば、オーストリアは基本的にそういう習慣がないらしいとのことで、「置いたことはない」とのことでした。ちなみにウィーンのアナナスでは、チップを受け取っていました。
フロントの係員は、非常に優秀なのか、あるいは、私たちがとっても変わっていたのか、すぐ顔を覚えられてしまいました。大きなホテルながらアットホームな雰囲気があり居心地がよいです。
ここのレストランは、美味しいです。英語メニューがあります。
朝食は、ビュッフェスタイルですが、サラダがありません。オーストリアでは、朝に野菜を食べる習慣が無いようです。
ホテルバイツァで、貴重品をフロントに預ける(セキュリティボックス)ときは、アナナスのようなクレジットカードを提示する必要はありませんでした。
→ 街で見かけた「千と千尋の神隠し」のドイツ語ポスター、こちらでは、日本のアニメは人気があるようで、テレビではアルプスの少女ハイジ、ドクタースランプ、ポケットモンスターなどのドイツ語吹き替え版を放送していました。他にも、スターウォーズ、刑事コロンボなどもドイツ語をしゃべっていました。
夕食は、旧市街にあるレストランの野外席 妹にドイツ語のシュパイゼンカルテンの見方や注文の仕方を教えてもらいました。
2003年8月9日 朝市、スーパーめぐり、ピアノを弾きながら談笑
朝市
ちょうど、シュロスベルグのケーブルカー乗り口のムーア川対岸に土曜日に朝市がたちます。妹は、ここで良く買い物をするそうで、同行しました。当然の事ながら、英語は通じず、みんなドイツ語でしゃべるので、何を言っているかわかりません。しかも、妹によれば、方言が強いとのことでした。
果物を売っているお店。これは、日本のミカンほどの小さな桃ですが、甘くて非常に美味しいです。皮が薄いので、皮ごと食べてしまう事も可能。他にも手の形のようなカボチャなど日本では見かけない野菜や果物がありました。
こちらのハム、ソーセージは、非常に美味しい。ここは自家製のハム、ソーセージを売る店です。冷蔵せずにそのまま売っています。薫製が強いせいか腐りにくいです。ハエが多いのですが、気にしないのも国民性?
ジャム、ジュース、お酒などを売るお店です。ジュースは自家製で殺菌していないので、常温で1日おいておけば発酵して炭酸入りになり、数日でお酒になります。それはそれで楽しんでしまうというのは、日本ではなかなか体験できないですね。
お目当ての洋ナシのジュースがあったのですが、目の前で他の客にさらわれてしまいました。
これも現代アート? ムーア川に浮かんだ得体の知れない船。
中には、ちょっとした劇が出来る空間や、カフェなどがあります。外壁は鋼管溶接。
設計ミスで、増水時に浮かばずに沈没する危険があるとかないとか。
妹宅で昼食を頂きました。その後、ピアノをみんなで弾きながら談笑、Mさんに留学体験などを伺いました。カールさんが、ショパンのエチュード、ベートーヴェンのワルトシュタインなどを弾いてくれました。安定感と、表現力の素晴らしさがすごいです。
Mさんは、グラーツ音楽大学に留学されています。私なりにその話を要約しておきます。
入学試験は、技術はもちろんのこと、音楽性を見られる。将来の音楽性について教授が何も感じなければ、技術が完璧であっても合格は無いだろう。合格率は決して高くない。一発勝負で合格できるのは、多くが日本の音楽大学を卒業してきたような学生である。腕に自信があるならば一発勝負も良いが、数ヶ月前にこちらへ来て、教授のいる時間に尋ねていき、ピアノを聴いてもらい、レッスンをしてもらったほうが良い。教授によっては断られるかもしれないが、根気よく他の教授を探して聴いてもらいなさい。
聴音に関しては、日本のほうがレベルが上なので、余り心配はない。筆記試験は、演奏家コースでは、通訳を付けることも可能。教育コースでは、ドイツ語の試験にパスしないと入学試験が受けられない。
M
さんの話を聞いていて、一番印象的だったのは音楽に対する姿勢でしょうか。日本の大学生は、概して遊び過ぎです。
留学している学生の多くは、こちらで就職を探しているようです。クラシック音楽関連では、日本ではあまり良い就職口がないということなのだと思います。そういえば、日本で、音大を卒業して、最も良い就職とされるのは公立学校の音楽の先生、という話を聞いたことがあります。グラーツ音大では、学生のアルバイトも楽団員だったり、俳優だったりと、”その道”が多いようで、日本の大学生の”コンビニ、単純労働作業”とは違います。
夜は、調律師のTさんの勤務先の庭でバーベキューパーティです。修理中の文化財級のピアノ、ウィーン式メカニックの古いピアノ、チェンバロなども見せていただくことが出来ました。
バーベキューパーティの準備です。ハエは多いけれど蚊は少ないようです。
2003年8月10日
シュロスベルグ城跡散策
午前中にシュロスベルグの山にケーブルカーで登りました。このケーブルカーも市営交通の一部に属していますので、24時間券を買えば、他のバス、市電などと同様、自由な乗り降りが可能です。高さは、右のプレートにあるように市街地から、123mです。30階建てのビルの屋上という感じでしょうか。体感的にはもう少し低い気がします。頂上は散策コースになっています。帰りは、階段を下りましたが、この階段が庭園の一部のようになっており、また、旧市街を眺めながら、徐々に高度を下げていく景色が面白く、散策を楽しみながら降りてこられます。
シュロスベルグからの眺め。ムーア川、中央がホテルバイツァ。旧市街は左手です。
時計台と、その影? これも現代アートなのでしょうか?
時計は、11時5分を表示しています。長針が時刻です。
シュロスベルグからの階段を下りながらの眺め。垂直に近い斜面に階段がついています。階段を下りきったところは、シュロスベルグへのもう一つの登り方であるエレベーターの入り口があります。
ショッケル山散策
グラーツ旧市街からバスで30分ほどのところにある山です。ショッケルでは、カールさんの御両親とお会いしました。
冬はスキー場になるところで、頂上付近までゴンドラで登ることが出来ます。頂上はなだらかで散策できます。一周、30分ぐらいのコースでしょうか。風も涼しく、下界とはえらい違いです。牛も放牧されており、アルプスの少女ハイジの気分が味わえます。パラグライダー、ハンググライダーなどのスポーツを楽しんでいました。上昇気流が強いようで、飛び上がると、あっというまに高度を上げていきます。
ショッケルに行くまでのバスの運転手が、これまた愉快でした。切符を買う妹に、大声で怒ったように話しているので、何かと思ったら、妹が考えていた切符の買い方より、我が家の分はファミリエンカルテ(家族割引券)を買った方が安いから、そうしろといっていたらしいです。しかし、言葉のわからない私たちには、怒っているようにしか見えなかった。さらに、市民公園近くの停留所で、運転手が突然降りたかと思ったら、歩いていた人と親しげに話し始めました。妹曰く、久しぶりに知人と会ったので乗客そっちのけで話し込んでいたそうです。さらに、山の中腹で、他のバスが故障で止まっていたのですが、ここでもそのバスの運転手と話し込み始めました。
「前の停留所に大きなオイルの水たまりが出来ていたから、そろそろエンジンが止まる頃だと思っていたよ。」
と、からかっていたのだそうです。なんか、のんびりしていて良いです。
ショッケル山のハイキング
飛び立とうとしているパラグライダー
離陸後、ぐんぐん高度を上げていき、見上げるほどの高さになりました。
そりの遊具です。横のレバーがブレーキになっています。
ショッケルで
2003年8月11日
グラーツ音楽大学 見学
夏休み中ですので、構内は閑散としていました。ピアノは、安くてコストパフォーマンスが良い機種としてカワイ、ピアノ科の教授などはスタインウェイを使っているようです。いずれもグランドピアノで、アップライトは見かけなかったです。ピアノ講習室は、もちろん防音となっており、扉も2枚になっていました。
グラーツ音楽大学の修業年限は、2003 年から4年制になり、日本のそれと同じになりました。授業料は、約10万円と日本に比べてはるかに安く、滞在及び渡航費を含めても、ほぼ同じか安いぐらいだと思います。授業のレベルは、クラシックの本場ですので、日本国内とは違いがあると思います。留学をお考えの方は、8月9日のコメントも参考にされて下さい。
http://www.kug.ac.at/ グラーツ音楽大学のサイト 英語による入学説明あり
グラーツ音楽大学の図書館の外観。
中にも入れていただきました。楽譜が多くて音大の図書館らしさがあります。
視聴覚設備はほとんど日本製でした。
大学内のコンサートホール。客席は150席ぐらいでしょうか。ピアノはスタインウェイ。
今日のコンサートの演奏者であるボイケ先生の部屋のプレート
市民公園
市民公園といえば噴水。日本の公園にこんな噴水があったら、ちょっと場違いですが、
こちらでは妙にしっくりしています。
ドーム大聖堂(画像は裏手の一部)、 階段の搭 二重らせん階段の中央付近
昼食は、市立公園 stadtpark
内にあるステキなオープンカフェ。定食2品(スパゲッティ、牛肉の煮込み)を注文、これは非常においしかったです。シュパイゼンカルテンは、ドイツ語のみ、このぐらいだと、何となくわかってきたので、注文は可能です。
妹のアトリエ
本格的にやっているのでちょっとびっくり。グラーツ旧市街に"やまもと"という日本料理屋がありますが、そこでも使ってもらっているとか。やまもとさんの日本料理も試してみたかったのですが、ちょうど休暇中になって残念。
http://sushibaryamamoto.hp.infoseek.co.jp/indexjp.html やまもとのホームページ
エッゲンベルグ城でのコンサート
エッゲンベルグ城 中央の明かりのついている窓がコンサート会場の大広間です。
コンサート会場の中庭に面した廊下。
ワインを片手にコンサートまでのひとときを楽しむ観客。
コンサート会場 休憩時間に廊下から撮影。
壁や天井に絵が描かれており、まさに”お城”。
コンサート中は窓を閉め切るので、少し暑く感じました。
グラーツ市郊外にあるエッゲンベルグ城の大広間で行われたコンサートに行きました。天井にも金の縁取りが施された絵が描かれている豪華な装飾が施されたいわゆる中世のお城です。今回のコンサートは、entflammt
(炎のように?)と題された一連のシリーズの初日です。会場は、300
人ほどでいっぱいになるような比較的狭い場所です。中央の前よりの席でした。当日はORF(オーストリア国営放送?)が収録に来ており、もしかするとテープが日本に回るかもしれません。
ほとんどの観客は着飾っており、休憩時間などにワインを片手に談笑しておりました。この雰囲気はさすがにヨーロッパのコンサートですね。ウィーンの観光客向けとは一味違います。
とにもかくにも演奏はすごかった。メゾソプラノ、ピアノ、チェロという組み合わせですが、それぞれが上手いのはもちろんのこと、とにかくよく揃っている。音が消える瞬間まで一致している。三位一体という言葉が浮かぶほど、楽器の違いを超えた一体感がありました。
メゾソプラノ の Stephanie Houtzeel
さんは、リンカーンセンターで初演をやったという新人? 音色の多彩さ、声量がずば抜けていました。
ピアノのボイケ Andreas Woyke
氏は、グラーツ音大のピアノの先生で、午前中に音大にお見かけしました。大柄で頭を剃ったおじさんで、格好を見ただけではピアノ弾きには見えない方です。話がずれますが、こちらでは頭をつるつるに剃るのが流行しているみたいです。レストランのウェイターも数人つるつるでした。話しを戻しますが、このボイケっていう人のピアノがメチャ上手い。アンサンブルなのでそれなりに抑えた弾き方をしていますが、ソロパートで見せる本性(?)は、牙を向いて襲いかかってくるトラのような迫力です。どちらかというと、主旋律が際だち、低音は滑らかに流すという弾き方でしょうか。それを弾き分ける指の使い方もうまい。
ピアノの表現力について、改めていろいろなことを教わったような気がします。
チェロの Friedrich Kleinhapl
氏は小柄な方でしたが、腕前は超一流だと思います。小柄な方でチェロの扱いに一種独特なところがあります。うっとりするほど良く音が出ていました。専用の椅子を持ち込まれていました。座面は使い込まれてぼろぼろになっており、安定性を良くするつっかえ棒や、チェロの足を支える工夫がなされていました。この方が、演奏前になにやら説明して観客を笑わせていたのですが、ドイツ語でしたので内容はわからなかったです。
このコンサートは、あまり有名ではないけど、うまい演奏者が来るのだそうです。有名無名はコンサートの数によるところも多いので、有名だけれどコンサートが忙しすぎて練習量が足りない演奏家、メチャうまいけど普段は学生の指導に忙しくてコンサートを開けない音楽学校の先生という方もいらっしゃるのでしょう。
曲目は、ダルゴムィジスキー、ブラームスから始まって、19〜20世紀もので構成されていました。興味のない方には眠くなりますね。
チケットと簡単な紹介は、以下にあります。
http://steiermark.orf.at/entflammt/
ボイケ氏については、こんなサイトを見つけてしまいました。
http://www.andreas-woyke.com/
2003年8月12日
グラーツ市内散策
要するに買い物を楽しんだということ。
歩道に鉄格子がはめてあって、その奥から噴水のように水が吹き出ているというもの。
これは、なんなのでしょうかね? その向こうに見える緑色のバスはオープンカーです。
オープンカフェ、こういうのがさりげなくある。
ヘレンガッセ。通りは路面電車(トラム)の軌道と歩道だけ。車は、トラムの軌道を走ります。
こちらの携帯の普及率は非常に高い。日本の携帯と違って、
カラー液晶もカメラもついていない実用的な機種が目立ちます。
アパートの表札
アパートなどには、こういう表札が掲げられているところがあります。事務所を構えて開業しているらしいのです。右上は眼科医らしいことがわかります。左中央は、大学を卒業したエンジニアであるという肩書きです。日本で言えば、”学士(工学)”といったところでしょうか。但し、日本とは学制が違いますので、大卒といえども社会的地位や待遇がかなり異なります。
レストランの野外席
中庭にある野外席です。気分的にもゆったりしてしまいます。シュパイゼンカルテンは、英語もありますが、これはドイツ語のシュパイゼンカルテン。このぐらいになると、全くわからない状態。少しわかりかけてきたように思ったけど、再び自信喪失。
2003年8月13日 グラーツ→ウィーン
飛行機は、かなり揺れました。プロペラの小型機なので、雷雲発生中の午後の乗り心地は格別です。雲をだいぶ迂回していましたが、それでもエアポケットに入って、シートベルトを心強く思ったことが数回ありました。座席は最後尾で、周囲の座席は航空会社乗務員ばかりという状態でした。
ウィーン一泊だけですので、荷物の一部を、明日の出発まで空港の一時手荷物預かり所に預けました。到着ロビーの端にあります。半券をくれますので、これを保管しておきます。料金は引き取りの際に支払います。バゲッジ1個で5ユーロぐらいでした。
ホテル近くのレストランが休暇中で休みなので、話の種に、ミューラーバイスルという「日本語メニューあり」の店へ行ってみました。そうしたら、日本人だらけ。料理の量も日本人に合わせてか少なめでした。デザートは、サイズが大きく味も甘めで、オーストリア仕様でした。
2003年8月14日 ウィーン から帰国
朝、BILLA で買い物をして、ホテルをチェックアウト。U-Bahn (地下鉄)、S-Bahn
(国鉄)を乗り継いで、空港へ。鉄道を使う方法は、どのガイドブックにも解説されていないというか、あまり勧められていないのですが、この方法が一番安くて渋滞の影響もなく速いのです。
ウィーンミッテ駅 ←→ ウィーン空港(シュベヒャート空港)は、約30分間隔で電車が出ています。所要時間約25分。時刻表は、下記。
http://english.viennaairport.com/pdf/bahn.pdf
ウィーン市内から空港駅 (Flughafem wiena-Schechat)
までのチケットの買い方を簡単に説明しておきます。大人二人、子供二人が夏休み期間中に利用するという想定とします。なお市内から、空港へ行くときは、終点でないことがあるので、空港の駅名(Flughafem
wiena-Schechat)
をしっかり確認してください。車内のアナウンスは、全てドイツ語です。
1. ウイーン市内から空港までは、2ゾーンです。すなわち、2ゾーンチケットを購入する必要があります。
2. 夏休み期間中は、子供はゾーン内の運賃が無料です。しかし、ゾーンを越境する場合は、越境する分についてのチケット購入が必要です。
3. ゆえに大人二人、子供二人では、大人 2ゾーンチケット 2枚、子供1ゾーンチケット 2枚が必要になります。(夏休み期間外なら、いずれも4枚ずつ)
4. ホテルアナナスのあるピルグラムガッセ駅の自動販売機では、2ゾーンチケットを販売していません。この場合は、1ゾーンを2枚購入するようです。ですから、
大人 1回券(1ゾーンのみ有効) 4枚、1.5ユーロ X4枚 合計 6ユーロ
半額 1回券(1ゾーンのみ有効 2枚 0.8ユーロ X2枚 合計 1.6ユーロ
の購入が必要になります。ウィーンミッテ駅のインフォメーションでチケットをチェックしてもらいましたので間違いないと思います。
なお、空港の駅の自動販売機では、2ゾーンチケットが購入可能です。空港の到着ロビーから、ホームにダイレクトに降りるエレベーターがあります。空港のチケットの自動販売機はホームに数台あります。
チケットの自動販売機は、最初は買い方がよくわからないと思います。私は、市内の駅で人の少ないころを見計らって、自動販売機の使い方をいろいろ試して理解しました。最後に”買う”のボタンを押すまでは何度でもやり直しが出来ますので、少し慣れてから挑戦されることをお勧めします。
シベリア上空で沈みかける太陽
往路は太陽を追いかける形になったので昼間のままでした。
復路は夜があるかなと思ったら、北の方を飛んだらしく白夜となりました。
成田は、天候不良で着陸をやり直していました。二度もスリルが味わえるなんて、得した気分です。名古屋に行くんじゃないかと、ひやっとしましたが、二回目で無事着陸しました。バスでターミナルへ移動後、パスポートチェック、税関を通り、無事帰国。午前10時です。バゲッジを配送サービスに依頼したところ、本日夕方には配送してくれるとのこと。人間のほうは、スカイライナーで日暮里経由で自宅へ。
スカイライナーと特急の時間差はごくわずか。スカイライナーのために10分待つぐらいなら、特急に乗ってしまった方が安いし、到着時刻はほとんど同じです。早めに気がつけば良かった。
覚え書き
ホテルの手配について
いくつかのホテルは、旅行代理店などが開いているホームページなどでオンラインでも予約可能です。この方法は、代理店ごとに持っている部屋数に限りがあるので、ある旅行代理店で満杯と断られても、他の旅行代理店では予約可能な場合があります。
代理店を一つにまとめたい場合は、手数料がかかりますが、まとめたい旅行代理店に他の旅行代理店で手配可能なことを伝え、手配を依頼する事も可能です。
家族4人で、部屋数をどうするかは悩みました。オーストリアでは、12歳以下は一人は無料となりますが、3人でエキストラベッドを入れて、3人+子供1人とすると、かなり窮屈になります。旅行会社の話では、部屋が狭くエキストラベッドが入らない場合もあるそうです。結果的に二部屋取ることにしました。
海外用携帯電話について
海外で使用できる携帯電話は、日本国内でも海外でも使用できる携帯をそのまま持ち込む方法と、海外専用の携帯をレンタルする方法とがあります。いずれも、目的地で使用できるかどうかの確認が必要です。オーストリアで使用可能と書かれていても、地方都市で使用できるとは限りません。今回は、k-com
のものをレンタルしましたが、ドイツの海外電話扱いになっていました。オーストリア国内では、A1
という電話会社に接続されました。
ホテルの電話
レンタル携帯電話ほどではないですが割高です。10日間で、モデムでインターネット接続して合計で約
50
ユーロになりました。部屋間の通話でも料金を取られているようです。
インターネット接続について
アナナスの電話線は、壁側はオーストリア仕様の特殊な形状でしたが、電話側がいわゆるモジュラージャックでしたので、ここを外して接続しました。ホテルバイツァーは、デスクにモジュラージャック2個とコンセントが並べてありますので、至れり尽くせりの印象です。モデムは、ノートパソコン内蔵を使用しました。使用に全く問題はありませんでしたが、本来、これは認証を受けておらず違法です。日本でも、海外の認証を受けているモデムがありますので、それを使うべきです。
接続は、nifty のローミング接続を使用しました。1分、10〜20円。接続ソフトは、nifty
のサイトからダウンロードできます。ウィーン、グラーツとも市内に接続サイトがあります。未確認な情報ですが、海外の接続サイトは、少しセキュリティが甘い印象を受けます。メールの認証では、POP3
はやめた方が良いかもしれません。今回は、メールについては、途中で、Yahoo
メールの SSL
認証に切り替えました。いずれにしても、ウィルスチェックソフト導入や、共有の解除などセキュリティ対策は万全にされていった方がよいと思います
なお、渡航前に、接続チェックのため自宅から国際電話で、ウィーン市内の接続サイトに接続を試みましたが接続できませんでした。国際電話の回線品質では、モデム使用が難しいようです。現地では問題なかったので、接続確認できなくても余り心配ないようです。昔々、パソコン通信の時代に米国に国際電話でモデム接続した記憶があるのですが、そのころに比べるとデータスピードも10倍以上になっており、事情が変わっているようです。
インターネットは便利です。特に個人旅行ですと、明日の計画を立てるにも、現地ではドイツ語の情報しか入らず困ることが多々あります。インターネットを使うと、現地で日本語の情報を入手できます。また、コンサートチケット予約も可能ですので、現地で急にコンサートへ行きたくなったなども対応できます。
食事
日本からの団体旅行、例えば「ロマンチック街道8日間、全行程食事付」
なんていうのに行くと、日本人向けに量も味も選択されてアレンジされた料理が出てきます。このつもりで個人旅行で料理をオーダーすると、その量にギブアップすることになります。
個人旅行は、食事との戦い
と表現しても過言ではないでしょう。避けて通れないだけに、ドイツ語のメニューは予想以上に手強いです。家族連れの時は、日本語/英語のメニューを置いてある店を調べて、毎回の店を複数候補に上げておく、ドイツ語の料理名を充分に攻略しておく、いずれかしかありません。十分な下調べと準備は、旅行を快適にしてくれるでしょう。
それでも、
一応の下調べをしておいても、ポテトの調理方法で知らない名前が出てくる、肉のグリルでレバーを入れるかどうか聞かれて、意味が分からず返事が出来ないこともあります。観光地なら英語が片言でも通じるところが多いですが、グラーツのバイスルあたりでは、英語のワン、ツー、スリー、テンなどの数も難しいところがあります。
8月はバカンスシーズンですので、お目当てのお店そのものが休暇をとっていることもありました。それはそれでハプニングを楽しむしかありません。
ドイツ語でメニューはシュパイゼンカルテンです。メニューが欲しければ、
「シュパイゼンカルテン、ビッテ」
ビッテは、please の意味。
ちなみにメニューは、定食の意味です。「メニュー、ビッテ」ってやると、いきなり食事が出てくる可能性もあります。
お勘定は、
「ツァーレン、ビッテ 」(請求書を下さい)
です。これらは毎食ごと繰り返さねばならない、言葉です。
注文の仕方
まず、飲み物から注文します。基本的にウエイターに注文するのは、
個数、料理名
としたほうが通りが良いです。***という銘柄のビール0.5リッターサイズ1つならば、ドイツ語、英語ごちゃ混ぜで
アインマル、***ビア ハーフリッター
といったぐあいです。2ならツバイマル、3ならトライマル、4ならヒュアマルです。
料理のほうも同じように注文します。
多くの場合は、飲み物を注文してから、料理はゆっくり注文します。飲み物を飲みながらゆっくりやればよいのです。何度かウェイターが様子を伺いに来ますが、余り気になさらなくても良いと思います。
追加で何か食べたければ、シュパイゼンカルテンを持って来てもらいます。余裕を持ってゆっくりゆっくりやったほうが良いようです。
ドイツ語でmitというのは、with の意味ですが、たとえば、
mit pommes
と書かれていれば、ポテト添えです。
場合によってはこのポテトの調理方法を指定する必要があります。
ポテトは量がハンパじゃないです。フライドポテトなら、20cm
皿にてんこ盛り。マクドナルドのLサイズの 3
倍は出てきます。もちろん1人で食べれば、途中で飽きてきます。
さらに mit
と書かれていなくても、当然のこととして付いてくる場合があります。ウィーナシュニッツェルなら、ポテトは9割がた付いてきます。
単にウィーナーシュニッツェルといっても、店によって味も量も違います。日本人に合わない味のものが出てくることもあります。
salat (ザラート) サラダ、 suppe (ズッペ) スープ
量の目安
およそ、日本の 1.5〜3 倍と考えておけば良いかと思います。2人なら、飲み物を2個とメインディッシュ1皿でも十分で、お腹が空いているようなら、さらにスープを、その後、おなかに余裕があるならデザートを注文するというのが良いと思います。こういう頼み方をすると、気の利いた店員なら、取り分け用の皿を用意してくれるところもあります。そうしたら、チップを少し弾みます。
量の目安は例外があります。飲み物とサラダは、日本並みだと思います。
氷
日本ですと、飲み物に氷が入ってくるのが普通ですが、こちらでは氷が入ることが珍しいです。というか、日本語メニューがおいてあるレストランで1回だけ経験しただけでした。
その他
信号
オーストリアの信号は、日本に比べると時間が短いです。歩行者用は、青になった瞬間に歩き出しても途中で点滅し始める場合があります。オーストリア人がせっかちということではなくて、のんびりしたオーストリア人をせっせと歩かせるためなのか、とも考えましたが、もともと日本より交通量が少ないので、赤信号による車の停車時間を短くするために信号が頻繁に変わるためと考えるほうが正しそうです。
信号で日本と違うのは、赤の次ぎに赤、黄(橙に見える)の同時点灯があることです。車は概ね、赤黄同時点灯で走り始めます。
ウィーンのシュタットパーク近くで。日本にはない信号の赤黄同時点灯です。
自動販売機、看板
自動販売機は、ほとんど見かけることがないです。空港とバスの乗り場にあったぐらいでしょうか。自販機は必要がないものだと気づかされます。看板も少ないです。特に建物の上の方にはほとんど無いです。これらが、町並みのすっきり感を出しているのでしょうか。
ハム、ソーセージ類の日本への持ち込み
ヨーロッパからは、不可能であるという情報があります。入国の際の動植物検疫あるいは、税関で見つかれば没収されるとのことです。但し、オーストリアにおける
BSE
の発生件数は、日本より少なく、比較的安全であると考えられます。
滞在期間10日間
10日間も、というよりたったの10日間と表現すべきかなと思います。ウィーンなら、主な所を見て回るのにおそらく3週間かかるでしょう。グラーツもおそらく2週間居ても見たりないでしょう。
荷物の重量
合計約 70 kgとなりました。衣類以外の重量物としては、スーツケースなどカバンそのものが約
20kg、パソコン付属品合わせて 5kg、アイロンと変圧器(結局使わなかった)、ガイドブック、会話集及び資料といったところ。航空機は、バゲッジ
20kg、機内持ち込み 8kg の制限です。4人ですので余裕はありましたが、意外に荷物が膨らみました。制限重量が厳しい場合は、ハンドバッグ、小さめのナップザックなどはカウントされませんので、重量物はこうしたところに入れておくと良いかも。
スーツケース、トランクなどについて
ハードケースは、何回か使用すると、本体に亀裂が入ったり、キャスターの取り付け部分が壊れたり、フレームが曲がったりします。一番多いトラブルは経験的にはキャスター取り付け部です。だからといって、ソフトケースはファスナーの部分の強度が小さく、この部分の修理は交換になり、本体を買えるほどの修理費がかかります。
スーツケースは、有名メーカーの製品も含め、過去、何個か壊しており、新たに購入しました。
プロテックス CORE CR-5000
丈夫さではプロテックスでしょう。CR-5000
の外形寸法及び重量は、705×365×385、5.8kg
で、正方形の支柱のような形でちょっと変わっています。しかし、今回の旅行中、この形であることで不便はありませんでした。強いて言えば、スーツ用のハンガーが付属していないことでしょうか。
外見に出っ張りがありますが、内張がないので出っ張った中まで使えます。
カギは、最近のスーツケースの凝ったものを比較すると、余りにも単純ですので、ちょっとした工具があれば開錠できるレベルです。不安ならば、別に鍵を用意した方がよいと思います。
形状がユニークですので、珍しがられました。この形のメリットは、開く部分の間口の面積が小さいので内部の圧力でフレームが変形しにくいことです。普通のスーツケースでは、間口が広く出し入れは便利ですが、体重をかけてロックをするような状況では、フレームが容易に変形します。
キャスターは大型で移動はスムーズで、取り外しが出来ます。ケースが壊れる要因の多くはキャスター周辺です。ですから、預けるときは、外して預けました。
http://www.protex.net/ プロテックスのHP
個人旅行 vs 団体ツアー
初めての方なら、個人旅行の不安を考えれば、比較のしようがないでしょう。私は一度だけ団体ツアーで海外旅行したことがあります。その時は、運が良い?ことにツアーのチェックのためにベテランの方が添乗員でした。ツアーによっては、日程に厳しいところがあります。そのツアーの際も、初日に夕食のために出掛ける億劫さは今でも思い出します。夕食のキャンセルすら考えました。また、スケジュールに含まれていても、時間的に間に合わず、必ず省略する場所もあります。添乗員の方は、チェックのために厳しい日程をこなそうと頑張られたでしょうし、またベテランだからこそ出来る痒いところに手が届くような配慮も感じました。
観光バスでさらさらっと見てしまえるのは、ツアーの良いところだと思いますが、どうしても欲求不満が残ります。ツアーの最後に添乗員の方が、「皆さんは、おそらく同じようなツアーに参加されることはないと思います。」 と言われたことが意味深でした。ウィーンを再訪して、その意味がだいぶわかりました。おそらく、余程のことがない限り、毎日ホテルが変わるような団体旅行には参加しないです。
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