初心者のための望遠鏡選び何を見たいか? などと野暮なことは申し上げません。 核心と信じる事項を独断と偏見で書いておきます。(加筆中) 1. 口径=性能である。 望遠鏡の分解能は口径に比例し、像の明るさ(集光力)は口径の二乗に比例します。 しかし、大きいことには多くの問題があります。 2. 使い勝手は、架台で決まる。望遠鏡の視野は、角度でせいぜい1度ぐらいです。200 倍では 0.2〜0.4 度ぐらいです。架台は、こうした角度を容易に調整でき、保持する必要があります。 初心者向きの望遠鏡というのは、この架台が貧弱なものが非常に多いです。1 度という角度は、支点から 15cm の距離では、3mm に相当する距離です。天体を視野に導入したとして、ピント調整のために望遠鏡のピント調整ノブに触ったとき、鏡筒が 3mm 移動したら、天体は視野から外れてしまいます。 快適な使い勝手のためには、バックラッシュ(遊び)やタワミが 0.1 度以下であり、かつ、0.1 度以下の調整が容易である事が必要です。安価な望遠鏡にとって、かなり厳しい要求です。使い勝手が悪くては、いくら望遠鏡が高性能でもその性能を発揮できません。 星空観望を快適に楽しむには、使い勝手の良い架台が必要です。 望遠鏡より、架台のほうが高価な場合が多々あります。私の場合も、最も高価な機材は架台( G 11赤道儀)です。 大がかりな架台を作らずに、これらを実現する方法としては、ドブソニアンや一部のフリーストップ架台などがあります。 3. 倍率は変えられる。むやみに倍率を上げても意味がない。倍率は下記の式で計算出来ます。 倍率 = 望遠鏡の焦点距離 ÷ アイピースの焦点距離 [倍] 望遠鏡の倍率を 200 倍以上に上げる機会は、多くありません。理由は、上記の口径からくる分解能の限界、そして大気の揺らぎによる像の揺れです。 口径による分解能は、口径 5cm の望遠鏡では、視力 1.0 の場合、80 倍でレイリーリミット(分解能の指標)を超えます。実際には、もう少し高い倍率まで像のボケが目立ちませんが、せいぜい 100 倍までです。口径 5cm で、100 倍、すなわち、口径の cm 読みの 20 倍ぐらい、そして最大でも 200 倍ぐらいが、倍率の目安です。 ですから、アイピースを変えれば300 倍でも 500 倍でも可能ですが、像はボケていくだけで意味がないし、そのような高倍率で快適に使用できる架台は、非常に大型になります。 |
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